プロローグ
あらためて「ふせん」を辞書で調べるとこのように定義されていました。
疑問や注意すべき事柄などを書いてはりつける小さな紙片。また、目印にはる紙。付け紙。不審紙。
出典:デジタル大辞泉(小学館)
本題
一般的に利用される正方形のふせんは、75mm四方の製品が標準的です。ファシリテーションの現場ではこれより大きな75×127mmなど、長方形の製品もよく使われます。『SPRINT』で推奨されているのもこの長方形です。
しかし、75×75や75×127では小さすぎると感じることもままあります。
例えば、このような例が考えられます。
- グループの人数が多く、一カ所に集まる時に人の輪が大きくなる(小さくて見えない)
- 書きたい情報量に紙面の大きさが見合わない
- そもそも情報量が多すぎる
- 太いマーカーでは字がつぶれてしまう
- 逆に細いペンで書いた字が離れた場所から見えない
ふせんを使う可視化は情報そのものを動かすことが簡単なので(つまりふせんを移動させるのです)大人数でもぜひ使いたい手法なのですが、適したふせんはそれほど多く売られていません。
例えば3Mで大きなふせんと言えばイーゼルパッド。

とはいえ、これは大きすぎますね……どちらかというと台紙です。イーゼルパッドをカンバンやKJ法で使うと、天童の人間将棋みたいです(それはそれで面白いかもしれません)。
3Mではビッグノートという製品も発売しています。
279mm(11インチ)四方の大型ポスト・イットです。
プロッキーの太字で書いてもこのくらいのボリュームですので、大きさを実感していただけるでしょうか。おなじみの鮮やかな黄色が映える紙面に、のびのび書くことができます。のびのび書く思い切りを身につけないとね。
しかし30枚入りで2,000円前後するお値段は思い切りを躊躇させてしまいます。イーゼルパッドしかり、米国3Mからの商品は少しお高いのですよね。
正方形のプレーンさは想像力を呼び起こしてくれると私は思いますので、もっと広まるとうれしいですね。需要が高まれば日本法人も価格を見直してくださるかもしれませんので、みなさんどんどん使っていきませんか。
そして、ビッグノートより一回り小ぶりな大きめふせんがコクヨから発売されています。
「大判ミーティングふせん」という、コクヨのネット販売・カウネット専売品です。
150×203mmで、A5判とほぼ同じくらいの大きさです。紙の色も目に優しいクリーム系で、こちらが使いやすいと感じる方も多いのではないでしょうか。
プロッキーの太字で書くとこのくらいのボリュームです。プロッキーの太いほうを目一杯つかっても余裕がありますね。
模造紙を台紙にすると最大で20枚ほど貼れます。一つのお題で出したアイデアを整理、一覧するのに便利ではないでしょうか。先日そんな使い方をしたのですが、表には出せないのでイメージ図にて。
お値段も100枚入って734円なので、ばんばん使うことができますね。紙はポスト・イットに比べると少し薄めですから、はがす方向にはご注意ください(糊に平行にはがさないと、クルッと巻いてしまいます)。コクヨのふせんは糊がしっかりしているので、ファシリテーションには使いやすいですよ。
最後に、みんなで背比べ? をしてみました。
工夫次第でいろいろ使える大判ふせんこそ、ファシリテーションのための文具と言えるのではないかなと思います。