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【書評】『文房具図鑑 その文具のいい所から悪い所まで最強解説』(私のズルい補足も)

『文房具図鑑 その文具のいい所から悪い所まで最強解説』

当ブログ初めての書評がこれか! 定番ファシリテーショングラフィック本とかじゃないのか! でも、とても衝撃的、かつうれしい気持ちになったので、ご紹介させてください。

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今話題の「小学生が夏休みの自由研究として執筆した文房具図鑑」の普及版。 書店で売られているこれは「普及版」と言ってよいと思います。だって、原本の著者希望価格は3兆円(本体価格)ですが、これは1500円(本体価格)で買えちゃうんですよ。超お買い得。グーテンベルク万歳。 なお、売上が3兆円規模の企業というとスズキやマツダなど。中部電力が3兆円を少し超えるくらいのようです。『文房具図鑑』原本の希少価値(一点もの)・労力などを考えてこれらの企業と比較すると、3兆円っていう値付けはそんなに法外でもないような気がしてきます。

Facebook友達のみなさんには「天才小学生による〜」ってご紹介したのですが、じっくり読み進めるとその表現はちょっと違っていた、と反省しました。 ただただ、自分の調べたいことをしっかり調べてまとめあげた、非常に骨太なレビュー本でした。この本の執筆に天才的要素は必要ない。調査、分析、アウトプットの能力が年齢のレベルを超えて高い、ということだと感じました。あやかりたい。 大人のように余計なことまで気を回さないので、そのぶん「いい所から悪い所まで」しっかり書けています。実際に使用してのレビューなのもすばらしい。文房具に限らず、道具は実用で使ってみないと分からないこと、絶対にあるんです。そのような「経験する⇒それを誠実にアウトプットする」能力のある若い人材がいて、それが世に歓迎されたことがうれしい。各メーカーのコメントなど、大人もしっかり向き合っているのがうれしい。そして、それが文具というジャンルで起きた出来事なのがうれしい。 巻末の、お友達(由稀さん)から寄せられたコメントがこの本と著者・山本健太郎さんの本質を表していると思います。引用しますね。

ぼくが「文房具図かん」をよんで、すごいなと思ったのは、やっぱりけんちゃんって絵がうまいだけじゃなくて、図かんをかきつづける根気があるんだなと思いました。

さて、当ブログ的には「ファシリテーション文具」の扱いが気になるところですが、残念ながらプロッキーが取り上げられているにとどまりました(油性マッキーはかなりフォーカスされてましたが)。健太郎さんは執筆当時まだ小学生(2016年の春から中学生だそうです)、ファシリテーション的な場面の経験は多くなかったかもしれませんね。大人になるにつれ話し合いの機会は増えると思いますので、その時はふせんやマーカー、ホワイトボードなどにも目を向けてほしいです。

しかし、そのプロッキー紹介の視点はさすが。「プロッキーは100円ショップで買えばいい」って、おばちゃんブログのネタとしてスタンバイしてたんだよ……先を越されていた……。感動したので写真にて引用させていただきます。

文房具図鑑 その文具のいい所から悪い所まで最強解説

そう、プロッキーは定価150円ですが、多くの100均で取り扱われています。いちばんお安く入手できるのは、実は100均なのです。ここからは「金という武器を手に入れたズルい大人」が便乗して補足させていただきますよ!

質問:「そうは言っても、せいぜい黒・赤くらいしか売ってないでしょう?」 いえいえそんなことはありません! セリアの大型店舗なら、10色セットの内容+きみどりの全11色をラインナップ。ばら売りで買えるのが何ともうれしいところですね。 ※店舗情報:三宮センター街店と、もりのみやキューズモールBASE店で確認してます。大型店舗ならたぶん置いている?

キャンドゥでもプロッキーは売られていますが、最寄りの店舗で見かけるのは黒・赤・青(ないことも)程度です。紙用マッキーも扱われているのがキャンドゥの強みかな。店舗によってはカラーバリエーションもそれなりにあります。なお、ダイソーはプロッキー、紙用マッキーとも扱いなしです。ほとんどの商品がオリジナルブランドなのよね。

そうそう、「うすだいだい」とか「はいいろ」のプロッキーを店頭で買いたい方にはユザワヤが頼りになると思います。全18色置いてあって、2割引(三宮店での調べ)。

※写真文中の「つめかめ(詰め替え)式とそうでないのがある」 ⇒これは、字幅によって異なります。「細字丸芯+太字角芯」は詰め替え可能ですが、「極細+細字丸芯」は詰め替え式ではありません。メーカーコメントも言及してなかったので、ここで補足。

COMMENT カバー画像は、とある文房具イベントで健太郎さんにサインしていただいたらいっしょにくれたイラスト。よい。このイラストは油性(たしかマッキー)で描いていますが、本のサインは裏写りしないようプロッキーで書き、さらに白紙を一枚挟んでくれる細やかさ。プロッキーは油性マーカーに比べインクの乾きがわずかに遅いので、すぐに本を閉じると反対のページに写ってしまうのです。さすがです。

INFO この項目は、2016年3月26日に旧ブログで公開した記事に加筆修正したものです。
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