「字を間違えたらどうしよう」という気持ちはファシリテーショングラフィックの心理的ハードルになってしまうようで、紙に書くよりもホワイトボードのほうがいくぶん気持ちが軽くなる、という方も多いようです。ファシリテーショングラフィックなんてものは全員の認識を揃えるためのただの実用品ですから、間違えたらぐちゃぐちゃーと上から塗りつぶしてしまえば問題ないと思います。

みの虫にする必要はないと思いますが(こんなの今どきの若者もするんだろうか……)。
そんな雑な私ですが、グラフィックレコーディングをするときはいちおう修正用のシールを持って歩いています。少し見栄えが必要な場合もありますし、ファシリテーターとして書くときのようにその都度認識や表記を確認できないことも多くあります。誤字や認識違いがあったままSNSなどで拡散してしまうと、特に広報を兼ねているときは困ったことにもなりかねないため、スピーカーの方などに確認していただき修正することがあります。
実践を始めた当初はニチバンのマイタックラベルを持ち歩いていました。ポーチにいつも入れておくことができて便利です。ただ、マイタックラベルは少し紙が薄いため、貼ったときに下の間違い部分が透けて見えるのが難点でした。

そんな折、仲間に教えていただいて試してみたのがポスト・イットでおなじみ・スリーエム・ジャパンの「ポスト・イット カバーアップテープ」でした。少し厚めの用紙にポスト・イットの糊がついているテープです。これがかなり便利なのでご紹介します。
厚手なので下の書き損じがよく隠せる

市章を思いっきり間違えてこのていたらく……。これはどうしても直さなくてはなりません。こちらはマイタックラベルで修正したもの。透けてしまっていますね。

一連のシリーズの現場に再度お邪魔したときは、カバーアップテープでしっかり修正しました。
貼ってはがせるポスト・イットの糊だが意外としっかり

模造紙をつなげて連続性を出したいときは、はじめにこのテープで隙間を貼ってしまいます。こうしておくとずれることもないし、壁にうっかりインクをつけてしまう惨事も防ぐことができます。テープの上からマーカーで描くと少し薄めの発色にはなりますが、遠目で見れば気になるほどではありません。
一巻きが長い安心感
少しかさばりますが、お徳用は一巻きが17.7メートルもあり安心感が違います。書き損じどんとこい! という気分になります(心配性)。
ですから、構造を読み違えて途中で「しまった!」と思ったときも躊躇なく今まで描いた部分をテープで覆ってしまい、新しい構成で始めることができます。

この写真はふつうに列記しようかな……と思った矢先に「大きく二つのテーマの構成だった!」と気づき、豪快に描き直したものです。手前味噌ながら、構成がよくわかるようになったと思いますし、登壇者の方にもとても好評をいただいたグラフィックになりました。
究極的には「みの虫ぐしゃぐしゃー」でいいのだと思いますが、こんな安心感もあるということで。