世の中がすっかり変わってしまい、グラフィックレコーディングも本格的にデジタル時代に突入したのかもしれません。デジタル(オンライン)でのグラフィックレコーディングがどの程度ファシリテーションツールとして寄与するかは今後検証しなくてはならない課題ですが、ひとまず慣れ親しんだ環境をデジタルで使えるようにしてみました。

本音は、テキストを書きながら共有できるGoogleドキュメント、OneNote、Dropbox Paperなどのほうが多くの人の役に立つような気がしているのですが…スタイラスで書きたい場合は、iOSならNotabilityが便利ですね(前職で使っていました)。
慣れ親しんだ環境、それは私にとってはNeulandマーカーの色をアプリに再現すること。私は決まり切った色をセットしておくほうが(おそらく考え方のクセの問題で)使いやすいのです。デジタルレコーディングにはあまり慣れていませんが、頭は非常にデジタルです。ブラシも同じ種類で太さだけ変えたものをいくつかプリセットしているほど。あくまで「物理のマーカー」の代替がわかりやすいです。
多くのドローイングアプリでは、色を16進数で指定してカラーパレットを作成できると思います。実は、その元になるカラーコード表をNeulandが公式に公開しています。


各色ふたつ書かれているカラーコード、上は1回塗りで下は2回重ねて塗った色です。
このコードを使って、ProcreateとClip Studioにカラーパレットを作ってみました(私はiPadを利用しています)。どちらのアプリも2回塗りを上に配置しているのは、濃い色が好みだからです。


これで、少なくとも色のことはあまり考えずにデジタルで描くことができるはず。 実はこのカラーチャート、私の持っているいちばんはじめのバージョンは2017年にダウンロードしたものでした。Neulandの先進性を感じますね。
これまでデジタルは個人的なスケッチノートを描いたり、打合せ中にさっと概念を絵にしたりする程度の使い方しかしていませんでした。私の得意とする「グラフィックレコーディングのできるファシリテーター」としての立ち位置でどの程度デジタルドローイングが役に立つか、これから新しいやり方が必要とされるのか正直言ってよくわかっていない部分もあります。また「これからはこうだ」と言い切るような不誠実なことは、私にはとてもできません。
ただ一つ言えることは、ツールは人を助けるということです。そしてツールは人に合わせて使いやすくするべきと信じているので、ちょこちょことカスタマイズをしています。