プロッキーや紙用マッキーなどの水性顔料マーカーにせよ、ホワイトボードマーカーにせよ、ファシリテーション文具としてのマーカーは必ず横置きで保管しましょう。絶対に守ってほしいので、単刀直入に言います。
横置きです。
縦置きで保管するとどうなるか
プロッキーを例にとりますと、こんなふうになります。
これは新品だったのですが、細いペン先を下に向けて数年保管していたためにインクの顔料が偏ってしまいました。太いペン先で書いた筆跡は完全に色が変わってしまっています。細いほうも非常に色が濃くなっています。
使えなくはないけれど、正しい保管をしていたマーカーとは色がまったく違います。どれだけ書けるかも不明です。
ホワイトボードマーカーはもっとよくない状態で、顔料が偏ったことでかすれが生じていました。単に書けないだけならいいのですが、ホワイトボードマーカーのインクには樹脂が含まれているためペン先に固まるとそこが堅くなり、ホワイトボードを傷つけかねません。ちょうどイレイザーにたまった消しかすがボードを傷つけるのと同じ状態です。
数年放置するのはさすがに極端な状況かとは思いますが、そういえば去年の研修でワークショップやったなー、そのときにプロッキー買ったよね、と引っ張り出してくるのはよくある話では。文具を違和感なく使えることが場を整えることの第一歩、と信じている当ブログでは、ぜひよい状態で保管していただきたいと願っているのです。
お店で縦向きにぶら下げて売ってるじゃないか
一定の頻度で売れることが前提で、あのような包装になっているのではないかと想像します。つまり、回転の悪そうな店で縦置きに陳列されている場合は買わないほうがよいのではないかと……。生もののようですね。ちなみに、万年筆のインクは開封後数年で変質します(嫌なにおいになります)し、インクはわりあい鮮度が重要視される製品でもあります。
気を遣ったつもりが意外に逆効果だったりして
この写真、某所の有料貸し会議室の様子です(場所特定されないよう、加工しています)。ホワイトボードに整然とマーカーを揃えて立てている……。
一見きっちり手入れされているようですが、いざ使おうとするとインクが先端で固まって書けない、そしてボードを傷つけてしまうのではないかととても危惧しています。それほど会議室でのホワイトボード需要が高そうな施設ではないので……。
会議ビジネスの会社がこのような感じですので、ファシリテーション文具の情報発信はまだまだ、地味にコツコツ続けていかないといけません。
どうしても縦置きにしたい
縦置きにしか置く方法がない! という場合の回避策はただ一つ。「高頻度に使う」ことです。
毎日使えば顔料が偏るヒマも、固まる時間もありません。どんどん「書くファシリテーション」をして、どんどんマーカーを使っていきましょう!