一部のバレットジャーナルでみられるように、手帳やパーソナルなノートをカラフルなイラストで彩ることが流行しているようです。スケッチノート実践者が増えたのもそんな流れのひとつかもしれませんね。
文具メーカー各社も最近の需要にあわせたようにカラフルな水性ペン、マーカーの開発、販売を強化しています。
たとえば定番・ゼブラのマイルドライナーは色を増やしたり、筆ペンタイプを発売したり。
ゼブラはノック式のカラーペン、クリッカートも発売しています。
セーラー万年筆の四季織マーカーは万年筆インクと同じ、味わいのある色が20色そろっています。
このほかにも各社、カラフルで細めの手帳に向いた水性マーカーに力を入れています。
そんな中、ファシリテーション文具的目線ではプロッキーでおなじみの三菱鉛筆が満を持して登場させました。「EMOTT(エモット)」という、全40色の細字カラーペンです。
特徴的なのは、このEMOTTのインクが水性顔料系であること。そう、プロッキーと同じタイプのインクなのです。カラフルな細字水性マーカーは染料系インクがほとんどでしたので、ついに来たという印象……!
水性顔料系インクはこのような特徴があり、ファシグラマーカーとして最適です。
- 裏抜けしにくい
- 光で色あせしにくい
本格的にグラフィックレコーディングを実践している人に愛用者の多いNeulandのマーカーは、実はほとんどが染料系です。紙との組み合わせによっては裏抜けすることもありますし、わりと光で退色してしまうのですよね。描かれたグラフィックを長く掲示する使い方もあるので、これはとても残念なことでした。なにより、日本から取り寄せるのは関税や送料の関係でかなり手間がかかります。

それでもNeulandが選ばれている理由は、ひとえにその豊富なカラーバリエーションとBigOneの字幅の太さにあります。特別色も入れて60色にも及ぶ品揃えはビジュアルの幅を広げ、12ミリの字幅はスピーディな記録の必需品です。
だから日本のビジュアルプラクティショナーは「プロッキーの色を増やして…! そしてもっと太いプロッキーを!」と願い続けてきました。
もちろん、新商品の開発がそれほど簡単でないことはよくわかっていますが、このEMOTTのカラーバリエーションは福音に聞こえます。少なくとも、微妙なニュアンスの色が水性顔料インクで商品化できました。
EMOTTを試してみた
細字カラーペンはもう増やしたくない、と思いつつ、これは試さないといけません。
EMOTTの特徴の一つは、細字をキープし続けられるペン先の機構。0.4ミリのペン先はがっちりガードされて割れたり曲がったりするリスクが低そうです。私の欲しいのは太字なんですけど…
今回は「プロッキーにありそうで、なさそうで」の色合い、No.05 キャンディポップカラーのセットを購入しました。同系統のプロッキーと並べるとこんな感じです。
字が細ければ裏抜けしにくいのはあたりまえ。カケアミで重ねて書いてみました。カケアミは何回も筆跡が重なるため、太いペンで一気に書くより裏抜けしやすい悪条件です。
裏抜け、ほとんどしていませんね!
参考までにNeulandとも比較してみました。
やっぱりNeuland、紙が薄いと裏抜けしてしまいます。
耐光性は(そもそも手帳向きとして売っていることもあり)プレスリリースなどで言及されてはいませんが、Uniの水性顔料インクですよ? と、個人的にはなぜか全幅の信頼を置いています。
あとはペン先の幅だけですね! せめてプロッキーと同じ(6mm)であれば、40色あろうが全色一気買いすること請け合いです。もちろん日本のビジュアルプラクティショナーやファシリテーターもこぞって買うだろうし、世界に打って出ることもじゅうぶん可能だと思います。
たしかに、40色も揃えてカートリッジをどのように売るのか(そもそも詰め替え式にするのか)、仮に12ミリなど超太字を作ったとして、使ったらインクが一瞬で切れてしまうのではないか…など、素人考えでも課題が山積しているとわかります。しかし、ニュアンスカラーのプロッキーは全国の愛用者の悲願といえるかと思います。三菱鉛筆さんにはぜひに、ぜひにご一考いただきたいところです。なんなら私たちビジュアルプラクティショナーも手伝いたいよね?