「えんたくん」の用紙が茶色なのには意味がある(のかもしれない)

えんたくん 03_ファシリテーション文具案内

「えんたくん」という、ワールドカフェなどの対話型ワークショップでよく利用されるツールがあります。

えんたくんの販売店
えんたくんは、8mm段ボールを丸型に加工した商品です。椅子を囲み膝の上でえんたくんを乗せ話し合い・コミュニケーションツールとして活用できます。えんたくんにマジックで思いや説明アイデアを書くことにより人と人とのつながりを深め、ファシリテーションや課題解決、会議やセミナー学校PTA地域の話し合いなどあらゆる場所で活用できま...

落書き(メモ)用の大きな紙はふつうテーブルに置くものですが、この「えんたくん」はちゃぶ台くらいの大きさの円盤状の段ボールで、参加者はそれをひざの上に置いて円座になります。脚のないちゃぶ台のような感じですね。距離感や一体感がほどよく、成果につながるツールの一つとされています。個人的には背が低いので、ひざでみんなと盤面の高さ合わせるのがたいへんで、ちょっと足がつります笑。ギャラリーウォーク的に見て歩くときは、写真のようにパイプ椅子の背もたれを集めてその上に置くと安定して展示できます。

落書きは「えんたくん」の形に合わせて作られている無地のクラフト紙に描き込みます。グラフィックレコーディング参加した会場で「えんたくん」を初めて見たとき、描く面が茶色いことに驚きました。なんでこんな荷物みたいな色? と。

でも、どうやらこの「茶色」がいいらしいですよ。5/28、29(2016年)に名古屋で開催された日本ファシリテーション協会(FAJ)の「ファシリテーション・シンポジウム」でそんな話を聞きました。
「ワールドカフェのハーベストに関する研究」という発表をされた田坂逸朗さん(ファシリテーター/広島修道大学講師)がおっしゃるには「白い紙より、少し茶色いクラフト紙のほうがみなさんよく書き込んでくれる」とか。ぴかぴか真っ白の紙に書き込むには、少し心理的なハードルがあるようです。経験に基づいたツールの選択、さすがと思いました。そして、「えんたくん」用紙がクラフト紙なのはこのため? なんて思ったり。そこまで考えているとしたら、すごいなあ(単に段ボール屋さんの製品だからかと思っていた浅い私)。

でも、そんなちょっとしたことで成果が変わるのなら、ツールを工夫してみる価値があると思いませんか。このブログを書いている理由もそのあたりにあります。確かに「よいツール」を使うと明らかに成果が違います。しかし、「よいツール」って少しお高いものが多いんです。お値段を見て安いだけのものに変更しがちですが、ちょっとけちったせいで成果もいまいちなんてもったいない。かといって、「どのツールがいいのか?」なんて調べている時間もない。そこを私が(趣味だから)調べておくので、皆さんに効果的な備品調達をしていただきたいなーというのがこのブログの趣旨のひとつです。

研究発表の内容は、元の論文がドラフト段階なのでまずは非公開とのこと伺いましたが、ビジュアルファシリテーターとして特に有意義なセッションだったと思います。論文たのしみ。

追記:2017.4.6

「えんたくん」開発者の川島直さんから、この記事を読まれたとのことでメールをいただきました。川島さんはKP(紙芝居プレゼンテーション)法の開発者として存じあげていたのですが、なんとえんたくんの生みの親でもあったとは(常識?)。
そして、えんたくんの紙の色についてのエピソードを教えてくださいました。許可をいただいたので引用します。

えんたくんの記入用の紙が茶色なのは
ダンボール加工会社にその色のクラフト紙しかなかったからです
でも 直感的に「そっちの方が良いかも」と思ったのも事実です
紙が白い必要は無いです。おっしゃる通り「書きにくい」こともあると思います

……! それしかなかったから……!
いや、でもそれがかえってよかったのかもしれない、と思いますよ。だいいちかわいいもの。

この項目は、2016年5月30日に旧ブログで公開した記事に加筆修正したものです。
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