プロッキーがファシグラマーカーのデファクトスタンダードな理由がなんとなくわかりました

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このブログを開設して以来「ファシリテーショングラフィック用のマーカー(ファシグラマーカー)のデファクトスタンダードがプロッキーなのはなぜだろう?」と考えてきたのですが、ようやくなんとなく分かってきました。

日本メーカーの水性顔料マーカーで「ファシグラマーカー」と定義づけてよいのは次の 3 製品かと思います(サクラクレパスの「ピグマックスツイン」も使えそうな気がするのですが、未購入なので判断は保留します)。それらの発売年を並べてみると……

  • 三菱鉛筆 プロッキー(太字・細字) 1986 年発売
  • ゼブラ 紙用マッキー(太字・細字) 2007 年発売
  • 寺西化学工業 アクアテックツイン 2007 年発売

そうなんです。実は紙用マッキーやアクアテックは意外と歴史の浅い商品でした。

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結論としては「もっとも古くから売られている製品だから」ということになりそうです。そこにファシリテーションが日本で普及するプロセスが重なって 「ファシリテーショングラフィックといえばプロッキー」の図式が出来上がったとみてほぼ間違いないのではないかと思います。

「なぜプロッキーなのか」と聞かれると私はいつも書籍『ファシリテーション・グラフィック』でお勧めされているからじゃないかな、と答えてきましたが、なぜこの本で「プロッキー」と書かれているのかもおぼろげながら見えてきました。おそらく、「当時はプロッキーしか存在していなかった」からなんでしょうね。

『ファシリテーション・グラフィック』の初版は 2006 年なのです。まだ、紙用マッキーもアクアテックもこの世になかったのですね……。

『ファシリテーション・グラフィック』著者の一人である堀公俊さんが「ファシリテーショ ン」なるものを知ったのは、2000 年より少し前くらいなのだと以前伺ったことがあります。堀さんや、いろんなファシリテーターのお話を総合すると、「ファシリテーション」 が多くの人に知られるようになってきたのがだいたい2000年前後ぐらいのようです。 その頃に「大きな紙に書いても裏写りせず、さらにすぐ乾く」マーカーと言えばおそらくプロッキー一択だったのでしょう。そんなわけで例の本でも「プロッキー」と書いたのは当然だったかもしれません。たぶん、スキあらば油性マーカーが用意されたことでしょうから……。

このへんの事情はチャンスがあれば、著者や協力者のみなさんに聞いてみます。

もちろん、商品が店頭でどのくらいのシェアを持っているか、という要因はあるかもしれません。あと、ブランドの認知度とか。とはいえ、多くの人が(特にセットは)ネット通販で買うのではないかと思われる今日この頃、それは大きな要因にはなりえないのではないかと思います。本質的には歴史と印象(書籍でのおすすめ)の問題、「ポストイット」「セロテープ」「マジック」みたいな感じでしょうか。

というか、文具業界って各社のポジショニングが果てしなくややこしくて、この辺りは印象で語ってます……たとえば、コクヨ(総合文具メーカーどころじゃない)もプラチナ万年筆(筆記具専業)も同じ土俵っておかしいでしょう……。

さて、プロッキー誕生から 30 年。紙用マッキー&アクアテック登場からも 10 年近く。 文具は日々進歩を遂げ、そしてファシリテーションも多くの方が知る手法となっていま す。そろそろ、ファシリテーショングラフィックのための新しい筆記具が開発されてもいいんじゃないかと思えてきました。プロッキーにも、マッキーにも、アクアテックにも、円滑な話し合いのために改良すべきところはまだたくさんあるのです。
そう、ファシリテーション文具にはまだまだ可能性がある、はず。

そういえば、まだ「一般論としての水性顔料マーカー」についてちゃんと書いてない気がします。なんとなく「ファシグラマーカー」なんて言葉も作っちゃったし、一度まとめないとですね。
この項目は、2016年5月4日に旧ブログで公開した記事に加筆修正したものです。