始めにお断りしておきますが、万年筆大好きです。まあまあはまっている自覚もあります。それでもなお、ワークショップ形式に万年筆は向いていないよ、というお話です。
ワークショップや勉強会に参加すると、万年筆でノートをとっている方によく出会います。万年筆、つるつる書けて快適なんですよねえ。でも、メンバーに見せ合う用途でA4の紙やふせんに何かを書き込むときも、プロッキーなどの太いマーカーが用意されているにもかかわらずMy万年筆やMyボールペンを使う方がけっこういらっしゃいます。
しかし、万年筆は特にやめた方がいいです。プロッキー(など用意されているマーカー)を使いましょう。万年筆を使わない方がいいのはなぜか、を写真でご紹介します。
テスト
今回のテストでは、勉強会などの場でよく見かけるカジュアル万年筆御三家と純正インクをご用意しました。この子たちが手元にある時点で万年筆の沼っぷりはお察しください。
筆記具
写真上から
- ペリカン th.Ink F+ ペリカン エーデルシュタイン タンザナイト
- LAMY Safari F + LAMY ブルーブラック
- パイロット カクノ F + パイロット 色彩雫
- 比較のために 三菱鉛筆 プロッキー 太字(黒)
ふせん
- スリーエム ポスト・イット強粘着
- アスクル 強粘着ふせん
- アスクル オフィスのふせん
- ダイソー ふせん No.190
では、イーゼルパッドに貼ったところをご覧ください。
万年筆の字は読めません……。
もちろん、万年筆の方が小さな字を書いている点は指摘できますが、そもそも細いペン先は小さな字を生みやすいものです。感覚的にも、ワークショップでよくある細いペンのふせんの字数はこんな感じのボリューム感で書かれています。大勢で少し離れた距離から見ることを考えると、単純に「見えない」ですよね。
さらに、字数が増えるとキーワードが複数入るのであとで分類できなくなります。これは困る。
スリーエムの公式アプリ「Post-it Plus」で撮影してもこんな感じ(画面はiPhone6S)。
拡大表示すれば読めることは読めるけれども、ふせんの移動(ドラッグ&ドロップ)がしにくいですね……。俯瞰できることはとても大事です。
また、万年筆インクの宿命はにじむことです。
ポスト・イットでペリカンのインクがこれだけにじんだのは衝撃的でした。ポスト・イットは最強だと思っていたのに。また、アスクル強粘着はどうも「のり」がついている部分がインクをはじくようです。LAMYで「アスクル強粘着」と書いてあるところ、かなりインクをはじいてます。
ワークショップではいったん書いたふせんを新しい枠組みでとらえ直すため、移動させることがありますよね。万年筆ではインクが手についたり、書いたものがにじんだりしそうだ。なんだか気軽に貼り替え直す感じではなくなってきます。
ぜひ、ぜひ、プロッキー(など)に慣れていただければ!