万年筆はステキなコミュニケーション文具だけどファシリテーション文具ではないなあという話

万年筆 03_ファシリテーション文具案内

始めにお断りしておきますが、万年筆大好きです。まあまあはまっている自覚もあります。それでもなお、ワークショップ形式に万年筆は向いていないよ、というお話です。

ワークショップや勉強会に参加すると、万年筆でノートをとっている方によく出会います。万年筆、つるつる書けて快適なんですよねえ。でも、メンバーに見せ合う用途でA4の紙やふせんに何かを書き込むときも、プロッキーなどの太いマーカーが用意されているにもかかわらずMy万年筆やMyボールペンを使う方がけっこういらっしゃいます。

しかし、万年筆は特にやめた方がいいです。プロッキー(など用意されているマーカー)を使いましょう。万年筆を使わない方がいいのはなぜか、を写真でご紹介します。

テスト

今回のテストでは、勉強会などの場でよく見かけるカジュアル万年筆御三家と純正インクをご用意しました。この子たちが手元にある時点で万年筆の沼っぷりはお察しください。

筆記具

カジュアル万年筆万年筆インク

写真上から

  • ペリカン th.Ink F+ ペリカン エーデルシュタイン タンザナイト
  • LAMY Safari F + LAMY ブルーブラック
  • パイロット カクノ F + パイロット 色彩雫
  • 比較のために 三菱鉛筆 プロッキー 太字(黒)
ペリカン製品では「ペリカーノJr.」をよく見かけますがブログ主はこれをだいぶ前に処分してしまったので、同じようなペン先のこちらを。「ペリカーノ」と同等品です。通称「初号機」、残念ながら日本では現在販売終了しています。インクもエーデルシュタインしか持っておらず、ご勘弁を。

ふせん

  • スリーエム ポスト・イット強粘着
  • アスクル 強粘着ふせん
  • アスクル オフィスのふせん
  • ダイソー ふせん No.190

では、イーゼルパッドに貼ったところをご覧ください。

イーゼルパッドにふせんを貼って比較

万年筆の字は読めません……。

もちろん、万年筆の方が小さな字を書いている点は指摘できますが、そもそも細いペン先は小さな字を生みやすいものです。感覚的にも、ワークショップでよくある細いペンのふせんの字数はこんな感じのボリューム感で書かれています。大勢で少し離れた距離から見ることを考えると、単純に「見えない」ですよね。

さらに、字数が増えるとキーワードが複数入るのであとで分類できなくなります。これは困る。

スリーエムの公式アプリ「Post-it Plus」で撮影してもこんな感じ(画面はiPhone6S)。

post-it plusの画像

拡大表示すれば読めることは読めるけれども、ふせんの移動(ドラッグ&ドロップ)がしにくいですね……。俯瞰できることはとても大事です。

また、万年筆インクの宿命はにじむことです。

ポスト・イット
アスクル強粘着ふせん
アスクルオフィスのふせん
ダイソーのふせん

ポスト・イットでペリカンのインクがこれだけにじんだのは衝撃的でした。ポスト・イットは最強だと思っていたのに。また、アスクル強粘着はどうも「のり」がついている部分がインクをはじくようです。LAMYで「アスクル強粘着」と書いてあるところ、かなりインクをはじいてます。

ワークショップではいったん書いたふせんを新しい枠組みでとらえ直すため、移動させることがありますよね。万年筆ではインクが手についたり、書いたものがにじんだりしそうだ。なんだか気軽に貼り替え直す感じではなくなってきます。
ぜひ、ぜひ、プロッキー(など)に慣れていただければ!

2019年5月追記:この記事の公開後「ふせんの糊が付くと万年筆のペン先を傷めかねない」とのご指摘もいただきました。たしかに、万年筆のペン先は繊細なのでその点も気にしたほうがよさそうです。
この項目は、2017年1月25日に旧ブログで公開した記事に加筆修正したものです。
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