先日、お子さんが中学受験を控えているという知人から、ホワイトボードマーカーについてご相談をいただきました。

リビングにホワイトボードシートを貼って、受験のスケジュール管理をしています。マーカーはサクラの白板マーカーを買いましたが、匂いが強くて困る……

たしかに、サクラクレパスの「白板マーカー」は溶剤の匂いがとても強いのですよね。「ケトンインキ」を使っているそうで、例えば、強力なネイル除光液に使われるアセトンはケトンの一種といえばその匂いをイメージできるでしょうか。最近のホワイトボードマーカーはほとんどアルコール系インクなので、匂いはあまり強くありません。ちなみに、ケトンとはこんなもの(だそうです)。


サクラ白板マーカーは青インクが緑がかっていて色がとても好きなのですが、これだけ匂いが強いと家庭で使うには向いておらず、実は私も所有してはいないのです。そこで不肖ファシリテーション文具エバンジェリスト、家庭で使うホワイトボードマーカーは何がよいかを考えてみました。
結論としておすすめしたのは、パイロットのホワイトボードマーカー(補充タイプ)。

特にポイントとなるのは「消しかす」と「時間をおいても消すことができるか」。
ホワイトボードマーカーの消しかすは意外と掃除がやっかいです。家庭でホワイトボードシートを貼る使い方だとペントレーがないので壁や床に消しかすが落ちてしまいます。壁紙についたり、巾木に入り込んだりしたらそうとうやっかいですよね……しかも、リビング。そこで、消しかすが少ない=インクこってりではない製品=中綿式が候補となります。ただし、線ははっきり見えないといけません。
そして、時間をおいても消すことができるかという観点。議論のために使うのではなくスケジュール管理ですから、最長で受験までの数ヶ月書いたままになる文字もあるということ。長く置くとこびりついて消えなくなるマーカーもあるので、高品質なマーカーを選びたいですね。
そんなふうに考えて残ったのがおなじみ、パイロットのホワイトボードマーカー(補充タイプ)です。なんと1969年から今の形になっているとのこと、超ロングセラーですね!

ボードマスターほどこってりインクが出ないけれど、さすがにパイロットで線がはっきりくっきりしています。あとは、イレイザーをいつもきれいに保っておけばリビングで使ってもそれほど心配ないはず!
このホワイトボードマーカー、インク補充はパイロットの万年筆インキと同じ形の瓶からスポイトで継ぎ足します。

実はこれ、大切なミーティングなどの前にいつも満タンにしておける隠れたメリットがあったりします。サイズの大小は軸の大小=インク保持量の差だけで、字幅は中字(丸芯)だけです。場の距離感によっては使いやすいマーカーではないかなと思います。
ホワイトボードマーカーのおすすめを聞かれたら同じパイロットのボードマスターをほぼ無条件におすすめしている私ですが、実は家庭にはあまり向いていないかなと思っています。何事も適材適所あるなあと感じた一件でした。そしてスケジュール管理で受験うまくいきますように!
