ワールド・カフェとは、カフェのような自由でリラックスした雰囲気の中で行われる対話の手法。そこに集まった人々の知恵がつながり、集合知に発展していきます。

ワールド・カフェが開発されて、今年で20周年なのだそうです。
その記念イベントが全国で行われ、私は神戸会場で参加してきました。

これは日本全国9会場をWeb会議システム(Googleハングアウト)でつなぎ、同時に同じ問いについて対話を行なうという大きなイベント。
今回はただの参加者としてのつもりだったのですが、日本ファシリテーション協会(FAJ)が共催ということもあり、会場設営などを少しお手伝いしてきました(会場が用意してくれる看板があまりに事務的っぽかったので、アイキャッチ画像に使ったイラスト描かせていただきました)。
準備に立ち会った際は懸念がどんどん出てきていましたが…ふたを開けてみればオンラインでつなぐ段取りはバッチリスムーズ。全国で同じテーマについて考え、対話し、ハーベストをシェアする……すばらしい経験でした。
このイベントが全面に押し出していたのは、「今こそ本物のワールド・カフェを体感しよう!」ということ。
形をまねるのが簡単なため、ただお茶を飲んでお話して楽しかったけど……あれ? 成果は何だったんだろう? というようなものがけっこう多いのだそうです。
ワールド・カフェへの参加経験はほとんどないに等しい私、「本物のワールド・カフェってどんなもの?」という思いを持って参加してきました。
その状態でイベントに臨み「これが本物のワールド・カフェ」をつかんだかどうか、というと、残念ながらその境地には至れなかったかもしれません。
対話のテーマがワールド・カフェそのものにまつわることだったのは、初心者にはややつらかった。
例えば、もっと違うテーマ(直接ファシリテーションに関係ないような)で話すことができれば、使い方などピンときたのではないかなと個人的な感想を持ちました。
しっかりと原則にのっとりプロセスを進めていけば、成果の上がる対話方法だと感じましたが……。
そもそもフューチャーセッションとワールド・カフェのポジショニングがよくわかっておらず、まだまだ勉強が足りません。
とはいえ、会場は盛り上がったし、実際に行政の中で大規模なワールド・カフェを行った方の経験談(ストーリーテリングではなく、テーブルで直接)を伺ったりして、とても有意義な時間を過ごせました。
正しく実行するのが難しい手法は本当に有効といえるのかどうか、については、ちょっと考えてみたいと思います。
とはいえ、大勢で対話するってそもそも難しいことだから、ファシリテーターに求められることもシビアになるかなあ。