ファシリテーション文具案内

ビジュアルファシリテーション/グラフィックレコーディング/ファシリテーション文具案内

MENU

 『総合診療医 ドクターG』をファシリテーショングラフィック番組と思って見ています

いわゆる「ファシリテーショングラフィック」、イラストやアイコンの有無にかかわらず、議論を書き出し可視化してかみ合わせる手法ですが、そのお手本としてかなりよいと思っているのがNHK総合で水曜夜に放送されている『総合診療医 ドクターG』のホワイトボード。

カンファレンスの時間に研修医の意見を拾ってホワイトボードに書き出していく、助手のようなドクターがいますよね。あれがまさに「ファシリテーショングラフィックする人=グラフィッカー」なんだよなー、と思いながら見ています(うち、何かしらんけどNHKばっかり流れている家)。

『ドクターG』のホワイトボードには、こんな特徴があります

  • 患者の基本情報(性別や年齢、既往など)が明確に示される
  • 主訴やその他の症状を書き出すことで、現実に起きていることと知識のすりあわせを行っている
  • 症状や出来事を時系列に示し、変化を視覚的にとらえている
  • 可能性のある疾患名を列挙している
  • 場合によっては症状の起きている部位を人体図に書き込む
  • これらの情報を、全員がホワイトボードを見ながら議論している
  • 必要な情報がうまく可視化され、それを利用して議論が進んでいるということ。

私はリアルなカンファレンスがどのようなものかは知りませんし、テレビなのである程度仕込みがあるだろうとは想像しています。でも、少なくともあの場のドクターGはファシリテーターである、とはいえます。 ファシリテーターの入る会議の一パターンを示すものとして、おおむねあんなイメージで間違っていないと思います。研修医はホワイトボード見つめて悩んでいるし、ドクターGは後ろを指しながら話すし、認識の共有に役立つホワイトボードが存在している感じがします。

『ドクターG』ではグラフィッカーによっていろいろな書き方のホワイトボードがあって、(ちゃんと映れば)参考になりますし、これでいいんだよなーってハードルが下がった気持ちにもなるかもしれません。だって、あのホワイトボードの構成はかなりシンプル。字と矢印と、時々フレーム。ポイントだけに赤字を使う程度。ファシリテーショングラフィックの本質ですよね。

COMMENT 人体図を見ると上手だなーという印象を持ちますが、そもそも医師は絵を描くことのハードルが低そうな職業なので、そこは割り引いて考えればよいと思います(医学部では解剖や病理などで必ずスケッチするようです)。

ただ、最近ホワイトボードの映る時間がどんどん少なくなっている気がする……(お題の疾患にもよると思います)。 もっと映してほしいなあ、なんならリアルタイムに見たいです。議論の進行とともに見るのが大事なので、結果だけWebに載せるのはあまり意味をなさないかな。とはいえ、メディカル系の情報はいろいろとハードル高そうですね。

あ、当ブログは文具ブログなので書き添えますと、グラフィッカーが使っているホワイトボードマーカーはたしかボードマスター。毎週じっくり見ているわけではないので、私の中の最新の記憶ですけど(汗)研修医がフリップに使うマーカーはもちろんプロッキーにブランド隠しのテープを巻いたものですね。

COMMENT 2018年現在、この番組は『ドクターG+(プラス)』のタイトルでときどき特番として放送されています。この形式になってから、あらかじめ用意されたフリップをパネルに貼るかたちで情報整理しているので真剣勝負感がもうひとつ……。
INFO この項目は、2016年4月20日に旧ブログで公開した記事に加筆修正したものです。
© 2015-2023 ファシリテーション文具案内.